十字軍が「大航海時代」に与えた影響

十字軍の影響「大航海時代」編

この記事では、十字軍が大航海時代の到来にどのように影響を与えたのかを解説しています。商業や地理知識、航海技術の発展に注目し、その関連性を詳しく探っていきましょう。

十字軍が「大航海時代」に与えた影響

十字軍と大航海時代、遠く離れた二つの歴史的イベントに何の関係があるのか、不思議に思いませんか?実は、十字軍による遠征がヨーロッパに地中海や中東との関係をもたらし、新しい知識と技術の交流を生み出しました。これらが次第に、さらなる外洋探検の好機を呼び寄せ、大航海時代の扉を開くきっかけとなったのです。今回は、十字軍の遠征がヨーロッパの航海技術、地理的知識、そして経済にどのように影響を与えたのかを掘り下げていきましょう。

 

 

大航海時代とは

大航海時代は、15世紀から17世紀にかけてヨーロッパ各国が積極的に外洋探検と新航路開拓を進めた時期です。ポルトガルやスペインが先陣を切り、アフリカやアジア、そしてアメリカへと航海を続けました。この時代には、新たな貿易ルートが開拓され、ヨーロッパが「新世界」としてアメリカ大陸に到達し、さらにアジアやアフリカと盛んに交流することで商業と経済が活況を呈すことになったのです。

 

十字軍が大航海時代に寄与した要因

十字軍は宗教的な遠征とされがちですが、実際にはヨーロッパ全体に影響を与える要素を多数持ち合わせていました。十字軍による中東遠征を通じて、商業の拡大、地理的知識の獲得、航海技術の発展が生じ、これが後に大航海時代を呼び込む一因となったのです。

 

① 商業と経済の拡大

十字軍遠征を契機に、ヨーロッパは地中海を中心とした中東やアジアとの商業ネットワークを築きました。とりわけ、イタリアのヴェネツィアやジェノヴァなどの都市国家が貿易拠点となり、香辛料や絹、薬草といった希少な東方産品がヨーロッパに流入しました。この流れによって商業は一層盛り上がり、東方への興味が高まり続けました。そして、これが「より短いルートでアジアにアクセスできないか?」という発想を呼び起こし、新航路探しの意欲をかき立てたのです。

 

② 地理的知識と航海技術の発展

十字軍遠征中、ヨーロッパの人々は地中海周辺や中東の広範な地理情報に接触する機会を得ました。中東に駐屯した騎士や商人たちは、地図や航路情報に関心を寄せ、これが地理学の発展を後押しすることになります。特に、当時の地図作成技術はアラブの学者によって高い水準にあり、これが十字軍を介してヨーロッパへと伝わったのです。こうして蓄積された地理的知識と航海技術は、大航海時代における航路探検において大いに役立ちました。

 

③ 羅針盤や造船技術の革新

十字軍遠征が盛んだった時期には、アラブや中国からの技術がヨーロッパに流入しました。羅針盤や天文学の知識、造船技術の改良などがその代表です。特に羅針盤の導入により、船は海岸から離れても方向を見失うことなく進むことができるようになり、遠洋航海への不安が軽減されました。これに加え、アラブの船舶技術や風を利用した航行技術も取り入れられ、後のポルトガルやスペインによる航海の大きな支えとなったのです。

 

以上、十字軍が「大航海時代」に与えた影響についての解説でした!

 

ざっくりと振り返れば

 

  • 商業と経済の拡大による新航路探求の動機形成
  • 地理知識や航海技術の伝播
  • 羅針盤や造船技術の革新

 

・・・という具合にまとめられるでしょう。

 

ようは「十字軍が大航海時代の基盤を築いた」という点を抑えておきましょう!