第7回十字軍のメンバー|アッコンに集った聖地奪還の最後の希望

十字軍メンバー紹介「第7回十字軍」編

この記事では、第7回十字軍に集ったメンバーについて解説しています。十字軍史の最後の希望ともいえるアッコンでの遠征を主導した人物や背景、失敗の要因に注目し、第7回十字軍の歴史を詳しく探っていきましょう。

第7回十字軍のメンバー|アッコンに集った聖地奪還の最後の希望

第7回十字軍(1248年 - 1254年)は、十字軍史の最後の希望を象徴する遠征です。この遠征の指導者であったフランス王ルイ9世(1214 - 1270)は、エジプト攻略によって聖地エルサレム奪還を目指しました。しかし、予期せぬ困難が続き、聖地奪還の夢は果たされることなく終わりを迎えます。この十字軍は、決死の覚悟で臨んだものの、戦略的な失敗と過酷な環境が重なり、その結末は厳しいものでした。今回は、第7回十字軍の背景と主要メンバー、そしてその結末について見ていきましょう。

 

 

第7回十字軍の概要

第7回十字軍は、フランス王ルイ9世が主導し、聖地奪還のための重要な遠征として実施されました。1248年から始まったこの遠征は、最終的にはエジプトへの侵攻を選び、アッコンを拠点に勢力を集結させていました。しかし、計画は思わぬ困難に直面し、壮大な期待とは裏腹に失敗に終わってしまったのです。

 

派遣の理由

第7回十字軍が派遣された理由は、キリスト教勢力による聖地エルサレムの奪還でした。1244年にイスラム勢力がエルサレムを占領し、聖地の安定が脅かされたため、ヨーロッパ各地でエルサレム奪還への機運が高まります。この危機感が広がる中、フランス王ルイ9世は自ら指導者となり、キリスト教徒にとって神聖な地であるエルサレム奪還の使命に燃えたわけです。

 

呼びかけた人

第7回十字軍は、フランス王ルイ9世の決意によって実現しました。彼は信仰心が強く、深いキリスト教信仰に根ざした価値観を持っていました。聖地を取り戻すことこそ神に仕えることと考えた彼は、自ら先陣を切り、遠征の費用も自ら負担してヨーロッパ諸侯を説得したのです。ルイ9世の情熱的な呼びかけによって、多くのフランス貴族や騎士が参加を決意しました。

 

参加人数

第7回十字軍にはフランス王ルイ9世が指揮する約1万人の兵士が参加しました。遠征軍には多くのフランス貴族や騎士が名を連ね、エジプトへの侵攻に向けて結集したのです。この兵力は十字軍の歴史でも屈指の規模でしたが、過酷な環境と補給の難航が後の展開に大きく影響を及ぼすこととなります。

 

結末とその要因

第7回十字軍は、1250年のマンスーラの戦いでの大敗北によって事実上の終結を迎えます。ルイ9世が率いる軍勢は、エジプトのナイル川デルタでイスラム軍と激突するも、戦況は困難を極め、多くの兵が飢餓や病に倒れました。最終的には、ルイ9世自身も捕虜となり、莫大な身代金を支払うことで釈放されます。この敗北の原因には、ルイ9世が誇った信仰心が強すぎるがゆえの無計画な進軍や、過酷な環境が大きく影響していたと考えられます。

 

第7回十字軍の参加メンバー詳細

第7回十字軍には、フランスの名だたる貴族や騎士が参加しましたが、その中でも重要な役割を担った主要メンバーに焦点を当てて解説します。

 

フランス王ルイ9世

第7回十字軍を指導したのはフランス王ルイ9世です。彼は信仰心の強い人物であり、「聖王」として後にカトリック教会から列聖されました。ルイ9世はエルサレム奪還を聖なる使命と考え、財産の多くを遠征費用に充ててまで実行したのです。捕虜として敵の手に落ちる屈辱も経験しましたが、その信仰心は最後まで揺るぎませんでした。

 

アルフォンス・ド・ポワティエ

アルフォンス・ド・ポワティエ(1220 - 1271)はルイ9世の弟であり、遠征軍の主要な指揮官のひとりです。彼はフランス国内の統治にも力を注いでいましたが、兄の意志を支えるために十字軍に加わりました。兄とともに聖地奪還に情熱を燃やしましたが、最終的には敗北と捕虜となる運命を共にします。

 

ロベール・ダルトワ

ロベール・ダルトワ(1216 - 1250)は、ルイ9世の義兄であり、遠征軍で重要な指導的役割を果たしました。彼はマンスーラの戦いでの先陣を務め、エジプトで勇敢に戦いましたが、激しい戦闘で命を落とすこととなります。彼の戦死は遠征軍に大きな打撃を与え、十字軍の士気にも影響を与えたのです。

 

第7回十字軍の歴史的意義とその後の影響

第7回十字軍は、フランス王ルイ9世の篤い信仰心に基づくもので、聖地奪還という高い理想を掲げました。しかし、エジプト遠征という選択は、過酷な環境や補給の困難さによって大きな犠牲を払うこととなり、結果としてキリスト教勢力の限界を露呈させました。この遠征は、後の十字軍における戦略的見直しを促し、信仰心だけでは達成できない現実の厳しさを示したものといえるでしょう。

 

以上、第7回十字軍についての解説でした!

 

ざっくりと振り返れば

 

  • フランス王ルイ9世による遠征
  • エジプト攻略を目指したが敗北
  • 捕虜となったルイ9世の試練

 

・・・という具合にまとめられるでしょう。

 

ようは「理想と現実の狭間で苦しんだ十字軍」という点を抑えておきましょう!