第9回十字軍のメンバー|最後の聖地遠征に挑んだ者たち

十字軍メンバー紹介「第9回十字軍」編

この記事では、第9回十字軍の歴史的背景と参加した主要メンバーに焦点を当て、その聖地奪還の試みがどのような経緯で失敗に至ったのかを詳しく探っていきましょう。

第9回十字軍のメンバー|最後の聖地遠征に挑んだ者たち

第9回十字軍(1271-1272年)は、十字軍遠征の最終章とされ、イングランド王エドワード1世(1239 - 1307)による大胆な遠征でした。彼は限られた軍勢を引き連れ、聖地での状況を打開しようと奮闘しましたが、この最後の聖戦も厳しい現実に突き当たり、ほどなくして撤退に至ります。この第9回十字軍において一体どのような決断がなされ、結果としてヨーロッパからの遠征が終焉を迎えたのか、その背景を見ていきましょう。

 

 

第9回十字軍の概要

1271年、ヨーロッパ勢力による最後の聖地奪還の試みとして行われたのが第9回十字軍です。この遠征のリーダーとなったのはイングランド王エドワード1世で、彼は十字軍運動の衰退期にもかかわらず熱意を持って聖地に向かいました。この遠征には限られた人数しか参加しませんでしたが、エドワードの決意は固く、彼の遠征には聖地奪還への強い想いが込められていました。

 

派遣の理由

第9回十字軍の発端は、1270年代の聖地における状況に起因します。十字軍の主な目標であったエルサレムは依然としてイスラム勢力の手中にあり、残されたキリスト教徒の都市も徐々にイスラム側からの圧力を受けていました。エドワード1世は聖地を取り戻すべく自ら十字軍を召集し、戦況の打破を目指したわけです。

 

呼びかけた人

第9回十字軍を呼びかけたのはイングランド王エドワード1世自身で、彼は若くして聖戦への使命感を抱いていました。当時、フランスのルイ9世が第8回十字軍で戦死し、十字軍運動が衰退に向かっていた状況があったため、エドワードの行動はかなり孤高なものでした。しかしエドワードはこの状況に対し、熱心な信仰心と自己の使命を果たそうとし、少数の兵士と共に聖地に向かったのです。

 

参加人数

この遠征に参加したのはおおよそ数百名とされ、過去の十字軍に比べ規模ははるかに小さく、貴族層からの支持も限定的でした。エドワードはこの限られた軍勢を率いていく中で戦略を練り、少数でのゲリラ的な作戦を展開していきました。小規模ながら精鋭であることを武器にして挑んだわけですが、大規模な増援を望むことができず、十字軍が限界に直面していくことになります。

 

結末とその要因

最終的にエドワード1世の軍はイスラム側の猛攻に耐え切れず、戦略的撤退を余儀なくされます。彼自身も暗殺未遂に遭うなど命の危険に直面し、状況が悪化していく中でイングランドに戻ることを決断したのです。この結果、第9回十字軍は目標を果たせないまま終わりを迎え、以降、聖地に対するヨーロッパからの大規模遠征は行われなくなりました。

 

第9回十字軍の参加メンバー詳細

第9回十字軍に参加したメンバーの中でも、特に影響力を持ったメンバーについて見ていきましょう。エドワード1世を筆頭に、彼を支えた忠実な仲間たちがこの遠征に全力を尽くしました。

 

イングランド王エドワード1世

エドワード1世(1239 - 1307)はこの遠征のリーダーで、後に「長脛王(ちょうけいおう)」として知られる王です。彼は若い頃から十字軍運動に熱心で、ヨーロッパ中に衰退の兆しが見えた状況でも聖地奪還への望みを捨てずに出征しました。現地では優れた指導力を発揮し、戦況の変化に応じた戦略を試みましたが、全体の状況が好転することはなく、最終的には撤退に追い込まれたのです。

 

サー・オリヴァー・インガム

サー・オリヴァー・インガムはエドワード1世の近しい家臣で、十字軍の過酷な環境下でエドワードを支え続けました。彼は冷静な判断力と献身的な行動力により、エドワードの側近として重要な役割を果たした人物です。彼のような忠実な騎士たちが少数ながらもこの遠征に参加し、最後まで力を尽くしました。

 

エドモンド・オブ・ランカスター

エドモンド・オブ・ランカスター(1245 - 1296)はエドワードの弟で、兄と共に遠征に加わりました。エドモンドは義務感から兄の援護に努め、聖地奪還への想いを共有していましたが、彼もまた過酷な状況に直面し、戦況の中で撤退の苦渋の決断を下す一助となりました。弟としての責任を果たしつつ、やむなく撤退を見届けた人物なのです。

 

第9回十字軍の意義とその後

第9回十字軍は、十字軍運動の終焉を象徴する遠征として歴史に刻まれました。エドワード1世の献身にもかかわらず、時勢の流れと状況の過酷さが戦いの火を終わらせることとなったのです。この遠征をもって十字軍の歴史は事実上幕を閉じ、以降のヨーロッパ勢力による聖地奪還の試みはもはや過去のものとして記憶されていきました。十字軍に賭けた彼らの想いが完遂されることはありませんでしたが、彼らが費やした努力は後世の歴史に深い影響を残したことも確かです。

 

以上、第9回十字軍についての解説でした!

 

ざっくりと振り返れば

 

  • イングランド王エドワード1世の最後の挑戦
  • 少数精鋭で挑むも撤退を余儀なくされる
  • 十字軍運動の終焉を象徴する遠征

 

・・・という具合にまとめられるでしょう。

 

ようは「衰退の中で勇敢に挑み、結果として終わりを迎えた」という点を抑えておきましょう!